GIGAスクール構想の目的の一つに、「個別最適化」というものがあります。
個別最適な学習とは何か?そして、個別最適な学習の手段としてGIGAスクール構想がどのような役割を果たすのかを解説していこうと思います。
- GIGAスクール構想って何?
- 個別最適な学習って何?
- GIGAスクール構想と個別最適化はどう関係しているの?
GIGAスクール構想とは?
GIGAスクール構想の目的
- society5.0時代を生きる児童・生徒にとって、教育における先端技術等の効果的活用
- 子どもたち一人一人に、最適な学びを提供し、より一層確実に生徒の力を伸ばせるICT環境の実現
- 教育現場でのICTの導入が遅れているので、挽回する
主に、この3つがGIGAスクール構想の目指すところです 。
詳しくは、文科省が丁寧にYoutubeやリーフレットなどで情報を発信しているのでご覧になるといいと思います。
https://www.mext.go.jp/content/20200625-mxt_syoto01-000003278_1.pdf
GIGAスクール構想の実現へ(リーフレット)
GIGAスクール構想の概略
- 1人1台のICT機器の導入
- クラウドの活用推進(Google for educationの活用)
- プログラミング教育の導入
このような、制度を整備し、児童・生徒のICTリテラシーを高めたり、個別最適な学びを保証するというのがGIGAスクールの内容になっています。
個別最適化とは?
GIGAスクール構想によってなぜ個別最適化ができるのか、ということですが、これまでの学校教育でも個別に最適化した学びを目指してきました。
目指す方向は変わっていないのですが、ビッグデータやAIと連携することでデータを集め、大まかな分析をする部分が自動化できるようになってきます。
ICT機器の活用で、教員の業務が軽くなった分、生徒の目標達成に向けた道筋を話し合っていくことが重要だということです。
まとめると、
- 個別最適化した学習を目指す
- そのためには、教員の業務を軽減する必要がある
- ICTを活用し、教員の業務を軽減し、軽減した分個別最適な学習を実現するために頑張ろう!
というイメージだと思います。
GIGAスクール構想の行く末は、教員の業務軽減につながるのではなく、頑張る先生と最低限の業務でとどめる先生の差がより明確になる未来につながりそうです。
GIGAスクール構想の未来
個別最適な学びと共創的対話型学習
先程書いたように、GIGAスクール構想は、生徒の学びを個別最適化するために有効な方法です。
そして、GIGAスクール構想のもと、個別最適化した学びを達成するためには教師の役割も変化していく必要があります。
これは、「機械ができること」と「機械ができないこと」という視点から整理するとよさそうです。
なぜなら、「機械にできることは」どんどん機械に任せていけばいいからです。
「機械にできないこと」を教師が担当していけばいいのです。
1つ例を挙げると、Youtubeとテレビの役割の違いが挙げられます。
Youtubeは個別最適化したコンテンツを個人に届けてくれます。
テレビは、ある程度の世代のすみ分けはあるものの誰が見ても面白いようにコンテンツをつくり、お茶の間に届けてくれます。
一方で、Youtubeを視聴する場合、友達と一緒に見る機会はかなり少ないです。
Youtubeは、プライベートなメディアだといえます。
テレビは、みんなが面白いであろうコンテンツを提供してくれ、その場の合意形成のもとでコンテンツを選びます。
そして、時間や情報を共有するわけです。
そこには、考えや意見の共有があり、自分の考えとは違う考えに触れるチャンスがあります。
Youtubeは、自分の興味あることを深めるのに相性がいいメディアだと言い換えることができそうです。
テレビは、考えや意見を共有し、幅を広げるのに適したメディアだといえそうです。
つまり、学校教育を同様に考えると、GIGAスクール構想の役割である個別最適な学習と、共創的対話型学習の果たす役割を明確にして整理していくことが必要になるということです。
もちろん、明確に区別できるわけではありません。
個別最適化学習と対話型学習の良さを相互補完的に組み合わせていくことが大切です。
しかし、その前段階として、それぞれの性質をしっかりと理解して整理しておくことが必要です。
これからの教師の役割
教師は、より効率よく生徒の現状を把握し、目標達成に向けた道筋を一緒に考えてあげたり、生徒集団の特徴をとらえ、集団に最適な学びを授業という形で提供したりすることが必要になってきそうです。
そのため、今まで時間をかけていたアンケートや小テストなどの現在の生徒の様子を把握する活動にテクノロジーを活用し、その分析や生徒へのフィードバックに時間をかけられるような業務設計が必要になります。
教師は今後、より児童・生徒と関わりその子に応じた学びを提供したり、集団の特徴をとらえ、集団に最適化した学びを提供することに力を注げるようになってくるはずです。
一人一人の生徒と話す時間をどれだけ大切にできるか、個に寄り添って話をできるかが今後の教師の大切なポイントになってきます。
言い換えると、これは機械にはできない役割であり、教師にしかできない役割です。
このように、教師の果たす役割を明確にして、そこに集中していくことが今後の教師の役割になってきます。
そうすれば、これまでは雑務に追われてできなかった高いレベルでの生徒の実態把握やそれをもとにした学習計画づくり、授業づくりができるはずです。
まとめ
- GIGAスクール構想
- AIの役割と教師の役割を整理することが大切
- 個別最適な学びと、対話型学習を相互補完的に組み合わせて学習を設計していく
- 教師にしかできない役割を明確にして、そこに集中する