学習法

【中学校教師向け完全ガイド】中2 化学 《水に電流を流して起こる変化(導入)》のポイント

こんにちは!トラ猫塾長です!

今回は、中学校2年生化学分野の【水に電流を流して起こる変化(導入)】について提案をします。

こんな疑問に答えます!
  1. 単元の流れを確認したい!
  2. どんな活動をすればいいの?
  3. 授業の導入はどうすればいいの?

単元計画

ここでは、それぞれの時間で設定する課題生徒に理解させたい内容を一覧にします。

1時間ごとの詳細については、次の内容でまとめてご紹介します。

  1. 今回のテーマ
  2. 本時の課題
  3. 本時のまとめと生徒に理解させたい内容
  4. 中心となる活動
  5. 導入

以上の①~⑤についてまとめていきます。

本時の課題

水は、さらに分解することができるのだろうか?

本時のまとめと生徒に理解させたい内容

本時のまとめ

水に電流を流すと、気体が発生する。発生した気体は、火花によって引火し、爆発してロケットを飛ばすことができたことから酸素と水素だと考えられる。

生徒に理解させたい内容

① 水上置換法についてどのような方法で集めるか理解している。
② 酸素、二酸化炭素、水素の調べ方について理解している。
③ ①と②をもとに炭酸水素ナトリウムを分解する実験方法を考えられる。

まとめの内容について、しっかりと流れの中で理解させるようにしていくことが大切です。

中心となる活動

まずは、1年生の気体の性質の復習として、1年生の時に扱った気体の性質やその集め方について復習します。

ここで、下の図のように隠し、生徒に思い出させるようにするとより生徒に定着させることにつながっていきます。

1年生で学んだ、気体の性質について復習したのち、前時に確認した炭酸水素ナトリウム(重曹)を加熱したときに発生した気体の性質を確認していきます。

解答例

  1. 水上置換法について正しい作図をする。
  2. 二酸化炭素 石灰水が白くにごるかどうか確かめる
    水素    マッチの火を近づけて、気体が燃えるかどうか確かめる
    酸素    火のついた線香を入れて激しく燃えるか確かめる

水素エネルギーの実験キットを使った演示実験

ここで、一つ演示実験を行います。

下の写真は、本屋で入手可能な実験キットです。

この実験キットは3,000円程度で手に入りますが、本格的な電気分解とロケットの発射ができます。

このように、電極から水素と酸素が発生している様子が見えます。演示実験としては十分です。

学研の科学 水素エネルギーロケット 世界とつながるほんもの体験キット [ 学研の科学編集部 ]

演示実験を通して、水に水酸化ナトリウムを加え、電流を流すと電気分解が起こることを確認できます。

そして、ロケットが飛ぶ際に爆発音がしたことから、生徒は発生した気体が水素であることを予想できます。

仮説を持たせたうえで実験方法の確認を行う

ロケットを使った演示実験をもとに、水に電流を流すと水素が発生すると予想する生徒がほとんどです。

しかし、水素以外にも発生することも確認します。

ここでも、ロケットが飛ぶときの様子をもとに考えさせると、もう1つの気体は酸素だと考える生徒も出てきます。

生徒の意見から、仮説を立て実験方法の確認を行います。

水の電気分解の実験自体は難しいものではないので、実験操作の意味を丁寧に確認しながら行っていきます

確認したい事項

  1. 水に水酸化ナトリウムを加えることで、水に電流が流れやすくなる。
  2. 装置が壊れる危険性があるので電源装置を使用するときは6Vより大きくしない。
  3. 発生した気体をを確認する際、陰極側の気体を確認したあと陽極側の期待を確認する前に確実に陰極側のゴム栓をしておく。

まとめ

中学2年生の化学授業における「水に電流を流して起こる変化」の導入として、以下の授業の流れを提案します。

授業の流れ:

  1. 導入: 1年生で学習した気体の性質(酸素・水素・二酸化炭素)を復習し、炭酸水素ナトリウムの加熱による発生した水をさらに分解できるのか考えさせます。
  2. 演示実験: 水素エネルギーキットを用いて、水の電気分解を実演。電極から水素と酸素が発生し、ロケット発射時の爆発音から生徒に発生した気体を予測させます。
  3. 仮説と実験計画: 生徒は「水に電流を流すと水素と酸素が発生する」と仮説を立て、実験方法を検討します。水酸化ナトリウムの添加で電流が流れやすくなることや、電圧設定(6V以下)などの安全注意事項を確認します。

この授業を通じて、生徒は水の電気分解の基本原理と発生する気体の性質を理解し、科学的思考力を養います。