こんにちは!トラ猫塾長です!
今回は、中学校2年生化学分野の【炭酸水素ナトリウムを加熱したときの変化(実験)】について提案をします。
- 単元の流れを確認したい!
- どんな活動をすればいいの?
- 授業の導入はどうすればいいの?
単元計画
ここでは、それぞれの時間で設定する課題と生徒に理解させたい内容を一覧にします。
1時間ごとの詳細については、次の内容でまとめてご紹介します。
- 今回のテーマ
- 本時の課題
- 本時のまとめと生徒に理解させたい内容
- 中心となる活動
- 導入
以上の①~⑤についてまとめていきます。
時数 | 本時の課題 | 生徒に理解させたい内容 |
1 | ホットケーキAとホットケーキBにはどのようなちがいがあるだろうか? | ホットケーキAの方がホットケーキBに比べて細かい気泡が多くみられるのは重曹が原因である |
2 本時 | 炭酸水素ナトリウムを加熱したときに発生する気体を調べるためにはどのような実験を行えばよいだろう? | ① 水上置換法 ② 酸素、二酸化炭素、水素の調べ方 ③ ①と②をもとに炭酸水素ナトリウムを分解する実験方法を考えられる |
3 本時 | 炭酸水素ナトリウムを加熱するとどのようなことが起こるのだろうか? | ① 石灰水が白くにごったことから、発生した気体は二酸化炭素であることがわかる。 ② 塩化コバルト紙が赤くなったことから、発生した液体が水であることがわかる。 ② 加熱前と加熱後の白い粉末は水への溶け方やフェノールフタレインの色の違いから別の物質だとわかる。 |
4 | 加熱によって別の物質ができる変化は、ほかにもあるのだろうか。 | ①もとの物質とは性質の異なる別の物質ができる変化を、化学変化または化学反応という。 ②1種類の物質が2種類以上の物質に分かれる化学変化を分解という。特に、加熱による分解を熱分解という。 |
本時の課題
《炭酸水素ナトリウムを加熱するとどのようなことが起こるのだろうか?》
本時のまとめと生徒に理解させたい内容
本時のまとめ
炭酸水素ナトリウムを加熱すると、二酸化炭素、水、炭酸ナトリウムに分解する。このように加熱をすることで1種類の物質が2種類以上の物質に分かれることを熱分解という。
生徒に理解させたい内容
① 石灰水が白くにごったことから、発生した気体は二酸化炭素であることがわかる。
② 塩化コバルト紙が赤くなったことから、発生した液体が水であることがわかる。
② 加熱前と加熱後の白い粉末は水への溶け方やフェノールフタレインの色の違いから別の物質だとわかる。
まとめの内容については、「分解や熱分解という言葉を使ってまとめるといいよ」などの声掛けをして、本時の実験内容と重要な用語を結びつけられるようにしておくとよいです。
中心となる活動
実験の注意点
まずは、実験を行っていきますが、注意するポイントを確認しておく必要があります。
- 机の上は、実験器具だけにする。
- 濡れ雑巾を準備する。
- 保護眼鏡をつけて実験を行う。
- 実験は立って行う
- 加熱する際、試験管の口を少し下げて加熱をする。
⇒発生した気体が加熱部分に流れて、試験管が割れるのを防ぐため - 水上置換法では、最初の1本目は空気が含まれているので捨てる。
- 火を消す前に、ガラス管を水槽から抜いておく。
⇒水が水槽から加熱した試験管へ逆流するのを防ぐため
特に、実験操作については、①と②が重要です。この操作を誤ると、試験管が割れることにつながり非常に危険なのはもちろん、試験にもよく出題される内容となっているのでしっかりと確認しておくとよいでしょう。
結果や考察の書き方
結果や考察については、以下のような視点を持たせて書かせるようにしています。
視点は、与えますが、生徒には「実験レポートをチェックする際に、示した視点以外にも気づいたことが詳しくかけているか見るよ」と伝えておくと、詳しく書いてくれる生徒も出てきます。
全員の生徒が、細かくすばらしいレポートを書くよう指導するのは難しいですが、「最低限の努力ではなく、最大限の努力を評価しているよ。」と伝えることで、「頑張ろう!」と思える生徒が増えていくはずです。
また、実験レポートのチェックは大変ですが、ここで生徒の頑張りを評価してあげることで、生徒は【どんな頑張り方をするとよいか】わかってきます。
授業中の指導だけでなく、実験レポートのフィードバックから学んでいく生徒も少なくありません。
生徒に、どんな実験レポートを書かせたいか考えながら授業を設計することも大切です。
まとめ
今回は、炭酸水素ナトリウムを加熱したときの変化を確かめる実験について解説しました。
実験の注意点やレポートの書かせ方について押さえるべきポイントを明確にしながら授業を進めていくと安全に学びのある実験ができると思います。
実験レポートを丁寧にチェックし、生徒の頑張りを評価してあげることで、生徒は【どんな頑張り方をするとよいか】わかってきます。
生徒に、どんな実験レポートを書かせたいか考えながら授業を設計していけば生徒の学びはより深くなっていくはずです。