学習法

【重要】生徒の力を伸ばす授業設計3つのポイント!

こんにちは!トラ猫塾長です!

先日、授業設計について記事を書きました。

具体的な授業設計の考え方を「課題設定」を中心に解説してあります。

学びを深めるための「授業設計」3つのポイントを解説!

今回は、「復習のタイミング」と「思考パターン」に注目して解説しました。

「復習のタイミング」は基礎的な用語や基本的な考え方を確実に身に付ける方法について解説しました。

「思考パターン」は、授業の中で、思考する場面を設計するときの考え方について解説してあります。

思考力を高める授業には、「知識の定着」と「思考パターン」がとても重要ですので、そのあたりに注目して読んでみてください。

こんな疑問にお答えします。
  • 基礎知識を生徒に身に付けさせるにはどんな方法があるの?
  • 思考力を高める授業ってどんな授業?
  • どうすれば思考力を高める授業を設計できるの?

基礎知識を身に付ける授業設計

まずは、授業は単元のまとまりで考えます。

学習指導要領や教科書は、単元のつながりを意識して作られているので、授業を考えるうえで単元のまとまりで考えると知識のつながりが見えやすくなります。

もちろん、学年や分野を超えてつながりを持たせることも必要ですが、まずは、単元の中のつながりをしっかりと意識しておくことが大切です。

単元の中身をざっくりと分けると、

  1. 単元の導入
  2. 単元の授業
  3. 単元のまとめ

というように、1つの単元を3つに分解することができます。

単元の導入では、全体を見通しながら単元の流れを大雑把に把握していきます。

たとえば、植物の分類や動物の分類では、さまざまな植物や動物の写真を見せ、どんな共通点がありそうか考えたり、どこに注目すると分類できそうかと考える活動ができます。

そのうえで、単元で扱う基本用語を20分程度の時間で確認し、定着するところまで持っていきます。

単元の中の各授業では、単元の導入で確認した基本用語をテストし、理解度を確認します。

そして、実際に単元の内容1つ1つを実験や観察などの活動を通して深めていきます。

最後に、その知識が世の中でどのように利用されているか考えるなど考え、単元のまとめをします。

単元を細かく分けた中で区切りのいいところで問題演習を計画的に入れています。単元という大きな学習サイクルの中に、授業の導入・展開・まとめという小さな学習サイクルがあるイメージです。

これで、その日に復習し、次の授業で復習し、1週間後に復習し、1~2か月後に復習するというサイクルが出来上がります。

知識が定着しない原因として、復習の量と質とタイミングがあります。

適切な量を、テスト形式で、適切なタイミングで行うことが必要です。

そのため、意図的に教師側がサイクルを用意してあげることで、生徒の知識の定着を図ることができ、知識が定着することでより深い学びにつながると考えています。

思考力を高める授業のデザイン

思考力を高める授業をデザインするときに、いかに「一般化する道筋をたどらせるか」という視点が大切になってきます。

たとえば、理科の実験でいうと実験を行って共通点や相違点を見つけたり、パターンを見つけたりする中で、一般化していきます。

具体的に、中1の化学分野「いろいろな物質とその性質」を例に挙げて解説します。

鉄の性質、金の性質、アルミの性質、銅の性質から共通点と相違点を整理します。

この中で、共通点が金属の性質として一般化できそうです。

このように、観察・実験などの活動を通して、世の中の原理原則を一般化することが科学的思考力を高めるうえでとても重要になってきます。

一般化するときの思考パターン

もう一つ重要なのは、一般化するときの思考のパターンです。

思考力を高める授業とは

既習事項を手掛かりに本時の課題を解決する中で、思考力を高めることが大切です。

ここで、思考力とは、以前も書きましたが、

プログラミング的思考
  1. 小さく分けて考えてみる
  2. 手順の組み合わせを考える
  3. パターンを見つける
  4. 大事なものだけぬきだして考える
  5. 頭の中で順番をたどる

の5つの考え方を自在に使える力を思考力と定義しておきましょう。

この5つの考え方を自由自在に使えることが思考力が高まった状態とすると、思考力を高める授業とは、5つの思考パターンのどれを使うか試行錯誤したり、組み合わせたりすることだといえそうです。

もう1段、思考力を昇華させると、「過去の経験や身近な現象」をもとに5つのパターンを自由自在に使って考えることができるというふうに言えそうです。

まとめ

  • 思考力を高める授業には、「知識の定着」と「思考パターン」が重要
  • 単元の大きなサイクルと、授業の小さなサイクルの中で知識をくり返し復習する場面を設計する。
  • 5つの思考パターンをもとに、1つ1つの現象を「一般化」する活動を通して「思考力」が高まっていく。

このように、「知識の定着」と「思考パターン」の2つに注目して、意図的に授業を設計していくことで思考力の高まる授業のベースが出来上がるはずです。

もちろん、生徒の性格や理解度に応じて見直していく必要があります。

日々の授業をより良いものにするのは大変ですが、少し視点を整理してみると授業の見え方も変わってくるかもしれませんね!