トラ猫塾長です!
塾長は、中学校教員として8年間働いていました。
今回は、塾長が授業を設計していたロジックを解説したいと思います。
1つでもみなさんの役に立つところがあれば幸いです。
塾長は、中学校の先生をやっていたらしいけど、どんなことに意識して授業をしていたの?
んー...
一言でいうと、生徒がどこで困っているのかを聞きながら授業を進めるようにしていたよ!
そうなんだ!
でも、それだとなかなか授業が進まないような気がする...
もちろん、時間内に進むように心がけていたよ。
その中で、生徒が「わかった!」って言えるように授業を考えていたよ!
とは言え、全員が「わかった!」となるのは難しいですよね。
そもそも、授業の内容が浅いまま「わかった!」となってもあんまりいい状況とは言えません。
生徒の考えが深まりながら、全員が「わかった!」という状況をつくるのは難しいですが、できるだけそこに近づけるために大切だと思うことを発信していきます。
- 授業ってどうやって考えればいいの?
- 授業の導入ってどう考えたらいいの?
- 生徒の活動は、どう考えて設計すればいいの?
単元の内容を理解する
単元の教科書の内容を理解する
まずは、教科書の内容をしっかりと理解することが大切です。
なぜなら、教科書には単元の内容を通して「こんな見方・考え方を身に付けてほしい」という思いがあります。
しっかり教科書を読んで、単元の内容がどんな見方・考え方を身に付けるのに適しているのか学ぶ必要があります。
これは、たくさんの経験を持っているベテランの教員もやるべきだと思います。
教科書の考え方を素直に見ることは、独りよがりな授業になってしまうリスクを減らすことができます。
そのため、しっかりと教科書の内容を理解することが大切です。
単元の問題の出題傾向を把握する
高校入試や、学力調査の問題から学べることはたくさんあります。
それぞれの単元の内容には、「決まった問題のパターン」があります。
そのパターンをつかむことで、単元の重要なポイントが見えてきます。
そして、単元の重要なポイントが見えてくると、単元の中のつながりも見えてきます。
- 温帯低気圧の問題を解くためには、前線のでき方と、前線の性質、前線の動き方などを定着させておく必要があるな。
- 温帯低気圧は、西から東に移動しているな!これは、天気の変化と同じだ!
- 日本付近では、「気象の変化は西から東に起こる」と一般化して指導しよう!
というように、教科書の内容を踏まえて上で、問題の出題傾向をつかむと、どこに重点を置いて指導したらよいかが明確になります。
生徒にとっても、「こんな問題の出方をするよ!」とか、「こんな見方ができるようになってほしい!」と根拠をもとに伝えられると納得しやすくなります。
そして、教師への信頼度もアップするはずです!
既習事項と本時の学びを明確にする
授業で一番大切なのは、既習事項や生活体験と本時の学びを結びつけることです。
そのため、既習事項と本時の学びを明確にします。
既習事項と本時の学びにあるギャップを埋めるのが、授業の展開の部分です。
「本時の課題を解決するためには、こんな既習事項を思い出せているといいな」とか、「こんな生活体験をもとに考えると本時の課題を解決できそう」と考えていけば、授業の導入で何をすればいいかが明確になってきます。
さらに、 既習事項と本時の学びにあるギャップを埋めるために、こんな見方・考え方が必要だなと気づくことができれば、必要な活動が見えてくるはずです。
このように、スタートとゴールを明確にして、進む道筋を考えていくことで授業は設計しやすくなると考えています。
- 既習事項と本時の学びを明確にする
- 本時の課題を解決するために、どんな既習事項や生活体験が必要か考える
- 既習事項や生活体験をもとに、本時の学びにたどり着く道筋を考える
- ③の道筋には、どんな見方・考え方が適しているのか考え、活動を設計していく
理解度を明確にする
生徒全員に「わかった!」、「できた!」と感じさせるのは非常に難しいですが、工夫の余地はあると考えています。
その一つが、授業内容の理解度を明確にすることです。
「この問題が解けたら理解度はB、ここまでできれば理解度はA」というように、できる問題で理解度をしめすことができます。
ほかにも、「こんな視点で説明できたら理解度はB、この視点も説明に入ってたら理解度はA」というように応用することも可能です。
このように、理解度を明確に示すことで生徒は「Aは難しくても、Bまでは頑張ってみよう!」とか、「これに気づけばAになれるんだ!」と【自分はどこまでできるのか】や【何ができるようになればいいのか】が明確になります。
このような工夫をすることで、1人でも多くの生徒が「わかった!」、「できた!」という実感が持てるはずです。
まとめ
- 教科書の単元の内容をしっかりと理解する
- 単元の出題傾向を把握する
- 既習事項と本時の学びを明確にする
- 既習事項から本時の学びに至るまでの道筋をつける
- 本時に必要な見方考え方を明確にして、それに合った活動を設計する
- 理解度を3段階で示す
このようなポイントを意識すると、少しは授業を設計しやすくなると思います。
ただ、授業で何より大事なのは、生徒の声です。
生徒の声をしっかり聞き取って臨機応変に対応するためにも、スタート地点とゴールを明確にしておく必要はあるし、大まかな地図を描いておく必要があると思います。
教師にとって何より大切で、やりがいのある業務が授業だと思うので、一緒に頑張っていきましょう!